ペトリコール
皆さん、おはようございます。
梅雨の足音が近づいてきましたね。
じめじめとした空気に少し憂鬱な気持ちになる一方で、雨がもたらす安らぎを感じる瞬間もあります。
今日は、そんな雨にまつわる言葉をご紹介したいと思います。
皆さんは「ペトリコール」という言葉をご存知でしょうか。
これは、長い間雨が降らなかった後に、最初の雨が地面を打つときに感じられる、あの独特な香りのことを指します。
言葉の語源はギリシャ語で、「petra(ペトラ)」は石、「ichor(イコル)」は神々の血という意味があります。
つまり、大地と神秘が混ざり合ったような、美しい表現なんですね。
この香りの正体は、土壌中のバクテリアが生成する「ゲオスミン」という物質によるものです。
乾燥した地面に雨が落ちた瞬間、ゲオスミンが空気中に広がり、私たちの鼻に届きます。
それは単なる匂いではなく、「雨が来た」という自然のサインのようにも感じられます。
私自身、この香りを嗅ぐと、なぜか懐かしい気持ちになります。
子どもの頃、校庭にぽつぽつと雨が降り始める中で、空を見上げながら走り回った記憶がよみがえるのです。
忙しい日々の中で、こうした自然の小さな変化に気づく心の余裕を持つことは、とても大切なことだと思います。
職場でも、目の前の仕事に追われると、どうしても視野が狭くなりがちです。
でも、ほんの少し立ち止まって、空の色や風の匂い、そして雨の香りを感じてみるだけで、心にゆとりが生まれます。
そしてそのゆとりが、柔軟な発想や穏やかなコミュニケーションにつながっていくのではないでしょうか。
自然の営みの中にある「気づき」を、日々の仕事や人間関係の中にも見いだせるよう、意識してみたいと思います。
今日は、そんな「ペトリコール」の香りの話から、少しでも皆さんの心が潤ったなら嬉しいです。
それでは、今日も一日よろしくお願いいたします。