双方の視点
皆さん、おはようございます。
本日は「双方の視点」というテーマで、お話しさせていただきます。
皆さんは、外国人の方が日本に来て驚くことの一つに「タクシーの自動ドア」があることをご存じでしょうか。
私も以前、海外の友人に「ドアが勝手に開いた!」と感動されたことがあり、その時に初めて、日本では当たり前のことが他国ではそうではないと気づかされました。
この自動ドア、実は1964年の東京オリンピックをきっかけに普及が進んだそうです。
それ以前は、運転手が車を降りて、ドアの開け閉めをしていたのですが、それが重労働だったこともあり、負担を軽減する目的で自動ドアの導入が始まりました。
しかし、ただ単に効率化のためだけではなく、来日する外国人に日本の技術とおもてなしの心を感じてもらいたい、そんな思いも込められていたのだそうです。
この話に触れて、私が感じたのは「一方通行ではない視点」の大切さです。
タクシーの自動ドアは、お客様の利便性を高めると同時に、運転手の負担も減らす。どちらか一方だけでなく、双方にとって価値のある改善であったということです。
私たちの仕事においても、商品やサービスの改善を考えるとき、「お客様の満足」を追求するあまり、現場の働き手に無理がかかってしまうことがあるかもしれません。
逆に、現場の効率ばかりを重視すると、お客様の体験がおろそかになることもあるでしょう。
だからこそ、「お客様にとってどうか」「それを支える人にとってどうか」――その両方の視点を持って物事を考えることが、持続的な価値を生む鍵になるのではないかと、私は思います。
小さな改善や提案であっても、この“双方の視点”を意識することで、より多くの人に喜ばれる仕組みが生まれるかもしれません。
今日の仕事でも、ちょっとした場面でこの視点を思い出してみてはいかがでしょうか。
ご清聴、ありがとうございました。