【9月21日】「室戸台風発生日」をテーマにしたスピーチ

皆さん、おはようございます。

猛暑が一段落すると、「野分(のわき)」の季節がやってきます。「野分」あるいは「のわけ」と呼ばれるこの言葉は、秋に吹く暴風や台風を指します。自然の脅威は、時として私たちの想像を超える力を持っています。

本日は、歴史に残る大災害の一つ、室戸台風から90年目にあたります。

1934年、この台風は高知県室戸岬付近に上陸し、京阪神地方を中心に甚大な被害をもたらしました。枕崎台風、伊勢湾台風と共に「昭和の三大台風」として、今もなお語り継がれています。

これらの歴史的な災害から、私たちは多くのことを学ぶことができます。その中でも最も重要なのは、「備えあれば憂いなし」という教訓です。

災害の発生を完全に予測することは不可能です。しかし、いざという時に備えがあるのとないのとでは、その影響に大きな差が出ます。

起こるかどうか分からない災害に備えることは、時に面倒に感じられるかもしれません。しかし、その備えの重要性は決して軽視できません。

そして、「備え」の内容も大切です。

日頃から、生活必需品の点検を含めた「物の備え」をすることはもちろんですが、それと同じくらい重要なのが、「行動の備え」です。災害時にどこに避難するのか、どのような行動をとるべきかを、家族や同僚と共有しておくことが大切です。

物の備えと行動の備えを整えることで、いざという時に冷静に対応することができます。これは、災害時だけでなく、ビジネスの世界でも同じことが言えるでしょう。予期せぬ事態に直面したとき、日頃の備えが私たちを支えてくれるのです。

備えは決して負担ではなく、自分自身と大切な人々を守るための投資だということを覚えておいてください。日々の忙しさに流されることなく、時には立ち止まって、自分の備えについて考える時間を持ちましょう。

皆さん一人一人が、物と心の備えを整えることで、私たちの組織全体がより強固になり、どんな困難にも立ち向かっていけると信じています。本日の業務に取り組む中で、この「備え」について少し考えていただければ幸いです。

ありがとうございました。

「昭和の三大台風」は、昭和時代に日本に甚大な被害をもたらした3つの台風を指します。これらの台風は、その規模と被害の大きさから特に注目されています。

三大台風の概要

  1. 室戸台風(1934年)
    • 発生日:1934年(昭和9年)9月21日
    • 上陸地点:室戸岬西方
    • 最低気圧:911.6 hPa(室戸岬測候所)
  2. 枕崎台風(1945年)
    • 発生日:1945年(昭和20年)9月17日
    • 上陸地点:枕崎町付近
    • 最低気圧:916.3 hPa(枕崎測候所)
  3. 伊勢湾台風(1959年)
    • 発生日:1959年(昭和34年)9月26日
    • 上陸地点:潮岬の西
    • 最低気圧:929.5 hPa(潮岬測候所)

被害状況

各台風の被害状況は以下の通りです。

  • 室戸台風
    詳細な被害者数は記載されていませんが、当時としては非常に大きな被害をもたらしました。
  • 枕崎台風
    全国で3,756人の犠牲者を出し、そのうち2,000人以上が広島県内でした
  • 伊勢湾台風
    明治以降最多となる5,098名(死者・行方不明者数)の犠牲者を出しました。被害は36道府県に及び、そのうち83%が愛知・三重両県に集中しました。

特筆すべき点

  1. 枕崎台風は、原爆投下からわずか1か月後の広島を直撃しました。通信手段が失われていたため、気象情報が市民に伝わらず、被害が拡大しました
  2. 伊勢湾台風は、進路予想が正確で早期警報が出されたにもかかわらず、空前の被害をもたらしました。この災害を契機に「災害対策基本法」が制定され、日本の防災対策の原点となりました
  3. これらの台風は、その後の日本の気象観測や防災対策に大きな影響を与えました。

歴史的意義

「昭和の三大台風」は、日本の防災史上重要な転換点となりました。

特に伊勢湾台風以降、気象予報技術の向上や防災対策の強化が進められ、大規模な台風被害は減少傾向にあります

これらの台風の経験は、現代の日本の防災システムや気象予報の精度向上に大きく貢献しています。