皆さん、おはようございます。
オリンピックの感動が冷めやらぬ中、パリパラリンピック2024が8月28日から9月8日までの12日間にわたって開催されます。「オリンピックしか見ないなぁ」という方も多いかもしれませんが、パラリンピックはオリンピックに負けず劣らず胸を熱くさせてくれます。
正直に申し上げますと、私も数年前までパラリンピックにあまり興味がありませんでした。それが変わったのは、東京パラリンピックでたまたま見たある一つのシーンがきっかけでした。車椅子ラグビーの池透暢選手がメダルを天に掲げる姿です。
最初は、単純に喜びを表現している行為だと思いました。しかし、実際はもっと深い意味があり、彼は天国の友人3人にメダルを掲げていたのです。
池選手は19歳の時、友人4人と乗っていた車が事故を起こしました。車は大破し炎上。かろうじて助け出されましたが、左足を切断し、全身に重度の火傷を負いました。想像を絶する痛みと苦しみの毎日、もう死にたいとまで思ったそうです。
そんなある日、同乗していた友人の母親から、4人中自分以外の3人がすでに亡くなっていることを初めて聞いたのです。その時、彼は「彼らと、そして彼らの親御さんのためにも、自分は這ってでも生きなければならない」と決意したそうです。
念願のメダルを手にした時、きっと天国の友人たちも祝福してくれていたことでしょう。
さて、パラリンピックの楽しみ方は人それぞれです。障害者が頑張っている姿を見て感動するのは、時に「故意に感動を煽っている」などと揶揄されることもあります。障害者に安易に感動を求めるなという意見もあるのでしょう。
しかし、感動に健常者も障害者もないのではないでしょうか。五体満足だろうと障害があろうと、真摯に競技に向かい全力を尽くす姿に感動し、心が震えることに何の問題があるでしょうか。
パラ種目ならではの競技性に着目するのもいいですし、選手のバックグラウンドを知って応援するのもいいでしょう。たまたま見た歓喜のシーンに涙するのも素晴らしいことです。
どんな見方でもいいのです。ただ、少しでも多くの人がパラリンピックに興味を持ってくれたら、私たちの社会はまた一歩、共生社会に近づくのではないでしょうか。新たな議論も生まれるかもしれません。
パラリンピックは、スポーツの祭典であると同時に、私たちの価値観や社会のあり方を考えさせてくれる貴重な機会でもあります。今年のパリパラリンピック、皆さんもぜひ注目してみてはいかがでしょうか。
ありがとうございました。
パリ2024パラリンピック概要
パリ2024パラリンピックは、オリンピックに続いて開催される世界最大級の障害者スポーツの祭典です。以下に大会の詳細情報とオリンピックとの比較をまとめます。
開催概要
- 期間: 2024年8月28日〜9月8日(12日間)
- 参加国: 185か国
- 競技数: 22競技
- 種目数: 549種目
- 選手数: 約4,400人
- 観客数: 約280万人(見込み)
- 会場数: 18か所
オリンピックとの比較
項目 | パラリンピック | オリンピック |
---|---|---|
期間 | 12日間 | 17日間 |
参加選手数 | 約4,400人 | 約10,500人 |
競技数 | 22競技 | 32競技 |
種目数 | 549種目 | 329種目 |
特徴的な点
- 同一エンブレム
パリ2024では、オリンピックとパラリンピックが同じエンブレムを使用する初の試みが行われます。これは両大会の一体感を高める狙いがあります。 - バリアフリー化
パリ市内のバリアフリー化が加速しており、グラン・パリ計画の一環として交通機関のアクセシビリティ向上が進められています。 - 持続可能性
選手村は大会後、高失業地域の持続可能なエコタウンとして活用される予定です。 - 注目競技
車いすラグビー、陸上競技、水泳、ボッチャなどが注目を集めています。特に日本代表の活躍が期待される競技もあります。 - 社会的影響
パラリンピックは単なるスポーツイベントを超え、障害者への理解促進や社会変革をもたらす機会となっています。
パリ2024パラリンピックは、世界中のパラアスリートたちが自己の限界に挑戦し、人々に感動を与える舞台となることが期待されています。また、大会を通じて障害者スポーツへの関心が高まり、より包括的な社会の実現に向けた一歩となることが望まれています。