「AED」をテーマにしたスピーチ

皆さん、おはようございます。

本日は、私たちの身近にありながら意外と見過ごしがちな存在、AED、つまり自動体外式除細動器(じどうたいがいしきじょさいどうき)についてお話させていただきます。

AEDは今や、駅や学校、オフィスビルなど、多くの公共施設に設置されています。このAEDが一般市民でも使えるようになってから、すでに20年の歳月が過ぎました。そして、この20年の間に、市民の手によってAEDを使用し、救われた命は8000人を超えるそうです。

心臓が突然止まってしまった場合、時間との闘いが始まります。1分経過するごとに、救命率は約10%ずつ低下すると言われています。しかし、その場に居合わせた人が迅速に心臓マッサージを始めることで、救命率は約2倍に上がり、さらに、AEDを使用すれば、その救命率は約4倍にまで跳ね上がるのです。

このことから、私たちにできる大切なことが見えてきます。日頃から、自分の周りにあるAEDの設置場所を確認しておき、そして、必要に応じて躊躇なくそれを使用する勇気を持つことです。これらの小さな心がけが、いざという時に大きな違いを生み出すと思います。

AEDの重要性は、倒れた人の命を救うことだけにとどまりません。その人の家族や友人たちの悲しみも同時に避けることができるのです。一人の命を救うことは、その人を愛する多くの人々の人生にも大きな影響を与えるのです。

しかし、いざという時にAEDの使い方が分からないのでは意味がありません。そのため、私たち一人一人が、日頃から必要最低限の応急処置の知識を身につけておくことが重要です。会社や地域で行なわれる救命講習などに積極的に参加するのもいいでしょう。今は、個人でもインターネットや動画サービスで様々な知識を得ることができます。

私たちの一人ひとりの中に、人の命を救う力が潜んでいるのです。その力を活かせるよう、今日から少しずつ意識を変えていきましょう。

ありがとうございました。

AEDとは

AEDは「自動体外式除細動器」の略称で、心室細動と呼ばれる致死性の不整脈を治療する唯一の方法です。心臓がけいれんし、血液を流すポンプ機能を失った状態に対して電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための機器です

2004年7月より、医療従事者以外の一般市民でも使用できるようになりました。現在では、病院や救急車だけでなく、空港、駅、スポーツクラブ、学校、公共施設など、人が多く集まる場所に広く設置されています

AEDの重要性

心停止後、心肺蘇生や除細動までの時間が1分遅れるごとに、救命率が7%~10%下がると言われています。

日本では119番通報から救急隊員が到着するまでの平均時間は約8.5分とされており、この時間だけでも救命の可能性が大きく低下してしまいます。そのため、救急車を呼ぶと同時に、その場にいる人がAEDを使用することが非常に重要です。

AEDの使い方

AEDの使用手順は以下の通りです。

  1. 電源を入れる
    カバーを開けて電源を入れます(カバーを開けるだけで電源が入る機種もあります)
  2. パッドを貼る
    右の鎖骨の下と左のわきばらに、皮膚に直接パッドを貼ります
  3. 心電図の自動解析
    AEDが自動で心電図を解析します。この間は体から離れる必要があります
  4. 電気ショックの実施
    機器の指示に従ってショックボタンを押します。ショックボタンを押す際も体から離れる必要があります

注意点

  • AEDは反応がなく、呼吸がない人に使用します
  • パッドは粘着力が強いので、一枚ずつ貼るのがポイントです
  • AEDは防水性能に優れているものが多く、雨の中でも使用できます

AEDは、認知され使用できる人に使われてこそ価値を発揮する製品です。この記事が、身の回りのAEDの場所を把握するきっかけや、AEDの使用方法を学ぶ講習を受けるきっかけとなれば幸いです。いざという時に自信を持ってAEDを使用できるよう、日頃から準備しておくことが大切です。