皆さん、おはようございます。
本日8月13日は「左利きの日」です。これは1992年にイギリスのレフトハンドクラブという団体が、左利きの人たちの生活環境向上を目指して、道具メーカーへ要望し制定されたものだそうです。
日本では古くから左右を表す言葉に、弓手(ゆんで)と馬手(めで)があります。弓を持つ手が左手、馬を操る手綱を持つ手が右手という意味で、武具を扱う利き手がそのまま言葉に表されています。このように、伝統的な武具から現代の道具に至るまで、基本的に右利き用に作られています。
一般的に左利きの人は少数派で、私たちの周りの多くの道具や設備が右利き用に設計されているため、左利きの人々は日常生活で不便さを感じることが多いでしょう。
そこで生まれたのが、ユニバーサルデザインという概念で、どちらの利き手でも使える道具や設備を設計するという考え方です。
ユニバーサルデザインは、左利きの人々だけでなく、子供や高齢者、体の不自由な人、日本語がよくわからない外国人など、誰もがわかりやすく、安全に、安心して使える様々な物・場所を提供することを目指しています。
私たちビジネスマンにとっても、ユニバーサルデザインの考え方は非常に重要です。私たちの製品やサービスがどのような人にとっても使いやすく、便利であることが、顧客満足度の向上や市場拡大につながるからです。一人ひとりのニーズを理解し、それに応える努力を通じて、豊かな社会づくりに貢献しましょう。
今日は「左利きの日」を機に、普段はあまり意識しない左利きの人々や、多様なニーズを持つ人々の視点に立ってみましょう。そして、私たちの仕事や日常生活において、誰もが安心して使える製品やサービスを提供するための工夫を考えてみましょう。
ありがとうございました。
ユニバーサルデザインとは
ユニバーサルデザイン(UD)は、年齢、性別、国籍、身体能力などに関係なく、すべての人が使いやすいように設計された製品、環境、サービスを作り出す考え方です。
主な特徴と原則
- 公平性:誰もが同じように使用できる
- 柔軟性:個々の好みや能力に対応できる
- 単純性:使い方が直感的で分かりやすい
- 情報の認知性:必要な情報が効果的に伝わる
- 安全性:エラーへの許容度が高く、危険を最小限に抑える
- 身体的負担の軽減:最小限の労力で効率的に使用できる
- 適切なサイズと空間:アプローチや使用に適した大きさと空間がある
身近な例
- 自動ドア:手が塞がっている人、力の弱い人、車いす利用者など、幅広い人々に便利
- 段差のない広々とした空間設計:車いす利用者だけでなく、ベビーカーを押す人や荷物を持つ人にも使いやすい
- 大きく読みやすい標識
- 音声案内付きの信号機
- 多目的トイレ
バリアフリーとの違い
バリアフリーが特定のグループ(障がい者や高齢者など)のための障壁除去に焦点を当てているのに対し、ユニバーサルデザインは最初から全ての人が使いやすいものを作ろうとする考え方です。
企業の取り組み
多くの企業がユニバーサルデザインを採用しています。
パナソニックのユニバーサルデザイン製品
WHILLのユニバーサルデザイン製品
- 幅の広い改札:車椅子やベビーカーを利用する人々が通りやすいように設計されている。
- スロープ:階段の代わりに設置され、車椅子やベビーカーの利用者に便利。
- シャワートイレ:使いやすく、衛生的なトイレ。
- シャンプーとリンスのボトル:触覚で区別できるデザイン。
- センサー式蛇口:手をかざすだけで水が出るため、手が不自由な人にも使いやすい。
- ノンステップバス:車椅子や高齢者が乗り降りしやすいバス。
コクヨのユニバーサルデザイン製品
- 針なしステープラー:安全で使いやすい。
- カッターナイフ:安全性を高めた設計。
- 消しゴム:細かい部分も消しやすいデザイン。
- ノート:めくりやすい斜めカット。
- レーザーポインター:使いやすさを追求した設計。
- パンチ穴補強シール:ワンプッシュで簡単に貼れる。
- 庁舎向け家具:高齢者や車椅子利用者にも配慮した設計
ユニバーサルデザインは、社会全体がその恩恵を受けることができる包括的なアプローチであり、より多様で公平な社会の実現に貢献しています。