【7月5日】「江戸切子の日」をテーマにしたスピーチ

江戸切子の日

皆さん、おはようございます。

夏本番を迎える準備が整い始めるこの時期、蝉の声や強い日差しに、いよいよ季節の移ろいを感じますね。

さて、本日7月5日は「江戸切子の日」です。

この日は、江戸切子の代表的な文様のひとつである「魚子(ななこ)」にちなんで、七五の語呂合わせから制定されたそうです。

江戸切子とは、ガラスの表面にカットを施して模様を生み出す、日本が誇る伝統工芸のひとつです。

その発祥については諸説あるものの、1834年に江戸でビードロ屋を営んでいた加賀屋久兵衛という人物が、ガラスに彫刻を施したのが始まりとされています。

以来、時代の流れと共に技術は磨かれ、1881年にはイギリスから指導者を招いてさらなる発展を遂げました。

江戸切子の魅力は、何と言ってもその繊細で緻密なカット模様です。

光の角度によって模様がきらきらと変化し、見ているだけでうっとりするような美しさがあります。

一つ一つが職人の手によって丁寧に作られ、その積み重ねが今日の評価につながっています。

2002年には国の伝統的工芸品にも指定され、今では国内外からも高い評価を受けています。

個人的に、江戸切子に感じる魅力は「伝統と革新の共存」です。

伝統的な模様を守りつつも、現代の感性に合った新しいデザインを取り入れ、食器だけでなくインテリアやアクセサリーとしても楽しまれるようになっています。

これは、私たちの仕事においても大切な視点だと感じています。

伝統を重んじることはもちろん大切ですが、それだけでは時代の流れにはついていけません。

変えてはいけない本質を守りながら、新しい価値を生み出す柔軟さこそが、長く愛され続ける秘訣ではないでしょうか。

今日という日が、私たち自身の仕事の中にも「伝統」と「革新」のバランスを見つめ直すきっかけになればと思います。

ありがとうございました。