「益者三友(えきしゃさんゆう)」をテーマにしたスピーチ

益者三友(えきしゃさんゆう)

皆さん、おはようございます。

本日は、中国の古典『論語(ろんご)』の中に出てくる「益者三友(えきしゃさんゆう)」という言葉について、お話ししたいと思います。

この言葉は、孔子が「人生にとって、つき合うとプラスになる友達のタイプは3つある」と教えてくれているものです。

日々、さまざまな人と関わっている私たちにとっても、とても参考になる考え方だと感じています。

では、その三つとは何でしょうか。

まず一つ目は、「正しいことをはっきり言ってくれる人」です。

これは、自分の考えに違和感があるときでも、ちゃんと指摘してくれる、いわゆる“正直な友人”です。

私たちはつい、相手との関係を壊したくないとか、場の空気を壊したくないという理由で、本音を飲み込んでしまいがちです。

でも、自分が誤った方向に進んでいるときに、きちんと「それは違うんじゃない?」と伝えてくれる人がいることは、本当にありがたいことです。

耳に痛い言葉ほど、自分を成長させてくれるものだと思います。

二つ目は、「思いやりがあって誠実な人」です。

これは、自分の損得ではなく、相手のことを本当に大切に思って接してくれる人のことです。

誠実さというのは、裏表がなく、言動に一貫性があるということ。言ったことをちゃんと守る。相手の話をちゃんと聞く。

そんな人がそばにいてくれると、自分も安心して心を開くことができますよね。

仕事でも、こうした人との信頼関係があると、少し難しいことでも乗り越えられるような気がします。

そして三つ目は、「博識な人」、つまり、知識が広く、話をしていて学びがある人です。

何か相談したときに、「そういうときは、こんな考え方もあるよ」と、具体的なアドバイスをくれる人。あるいは、雑談の中でも「へぇ、そんな考え方もあるんだ」と気づきを与えてくれる人。

知識というのは、単なる情報ではなく、人生の選択肢を広げてくれる大事な財産だと思います。そうした人と接することで、自分の視野もどんどん広がっていくのではないでしょうか。

このように、「正直な人」「誠実な人」「博識な人」、この三つが益者三友、つまり、自分にとって“プラスになる友”とされています。

私自身も、ふとまわりを見渡してみると、こうした友人や先輩、同僚に恵まれていることに気づきます。

そして同時に、自分もまた誰かにとっての“益者”でありたい、とも思います。

つい目先の成果やスピードにとらわれがちな毎日ですが、長い目で見れば、人との関係の中で育まれる信頼や学びこそが、大きな財産になるのではないでしょうか。

今一度、身近な人との関係を見つめ直すきっかけになればうれしいです。

ありがとうございました。