万博から見る日本の歩み
皆さん、おはようございます。
春の陽気が心地よく、外を歩くと新芽の緑が目に鮮やかに映ります。
現在開催中の万博にちなんで、過去の万博から日本の歩みを振り返ってみたいと思います。
1970年、大阪・吹田市の千里丘陵で開催された「日本万国博覧会」、通称「大阪万博」をご存じの方も多いと思います。
この万博はアジアで初めての国際博覧会であり、テーマは「人類の進歩と調和」。
高度経済成長の真っ只中にあった日本が、技術大国としての自信を世界に示した一大イベントでした。
実際、当時の日本企業が披露した最先端技術は、エレベーターに乗るだけでもワクワクするようなもので、人々の暮らしが未来へ向かっていることを強く感じさせるものでした。
私自身、直接体験はしていませんが、親や上の世代から当時の話を聞くたびに、日本中が希望に満ちあふれていた様子が伝わってきます。
世界中からの来場者に対して、笑顔で迎え入れる日本人の姿や、列に並びながらも礼儀正しくふるまう様子は、「日本のおもてなし」の原型とも言えるかもしれません。
そして、あれから50年以上が経ちました。
技術は驚くほど進化し、私たちはスマートフォンひとつで世界中とつながれる時代を生きています。
ただ、振り返ってみると、あの1970年の万博で示された「人類の進歩と調和」というテーマは、今もなお重要な問いとして、私たちの前に立ち続けているように思うのです。
かつての「進歩」は、経済成長や技術の発展を指していました。
しかし、現代においては、「持続可能性」「多様性」「共生」といった、より人間的で長期的な視点が求められています。
成長だけを追い求めるのではなく、社会全体の調和をどう実現するか。
これは私たちビジネスの現場においても、非常に大切なテーマではないでしょうか。
2025年の大阪・関西万博では、「いのち輝く未来社会のデザイン」が掲げられています。
これは単に未来の技術を見せるイベントではなく、「人がよりよく生きるとはどういうことか?」という本質的な問いに向き合う場でもあるのだと思います。
過去の万博を振り返ることで、私たちは今という時代がどれほど変化してきたのか、そしてこれからどのような社会を目指していくべきかを考えるきっかけを得られます。
未来を見つめるためにこそ、過去を知る。
その視点を大切にしながら、日々の仕事の中でも、自分たちがつくる「進歩」と「調和」を意識していきたいと、私は思っています。
ご清聴ありがとうございました。