QRコードを使った詐欺に注意
皆さん、おはようございます。
スマートフォンのカメラをかざすだけで情報を得たり、買い物や決済ができる便利な「QRコード」ですが、今や、国民の半数以上が利用し、世界中で広く普及しています。
しかし、この便利なツールを悪用した詐欺事件が増加していることをご存知でしょうか?
今日は、「QRコードを使った詐欺」の実態と、私たちが取るべき対策についてお話ししたいと思います。
最近発生した事件の一例です。
愛知県岩倉市の集合住宅で、家賃支払いを装った偽のQRコード付きチラシが投函されるという事件がありました。
チラシには「家賃に関する重要なお知らせ」と書かれ、住民にQRコードを読み取らせて決済を促す内容が記載されていました。
実際にこのQRコードを使用した60代の男性が、合計で10万6000円を騙し取られたとのことです。
同様のチラシは周辺の集合住宅にも投函されており、多くの住民が危険にさらされていました。
また、フードコートでも似たような被害が報告されています。
テーブルに置かれた偽のQRコードを読み取ると、料理の注文画面に誘導され、クレジットカード情報の入力を求められる。
そのまま入力して決済ボタンを押すと、情報を盗まれ、悪用されてしまうのです。
では、なぜQRコードが詐欺に悪用されやすいのでしょうか?
サイバーセキュリティの専門家によると、QRコードはその見た目から偽物かどうかを判別しにくく、詐欺師にとって「人を騙しやすいツール」だと言います。
さらに、日本はQRコードの普及率が高いため、特に狙われやすい状況にあるのです。
私たちがこのような詐欺に遭わないためには、いくつかのポイントを意識することが重要です。
まず、QRコードを読み取る前に、そのコードが正しい場所に設置されているか確認してください。
特に公共の場では、QRコードが上から貼り替えられていないか注意深く観察することが必要です。
また、QRコードを読み取った後に「クレジットカード情報を入力してください」といった画面が表示された場合、それが本当に正規の画面かを疑い、店舗のスタッフや関係者に確認しましょう。
さらに、不要なメールやSMSで送られてくるQRコードは安易に読み取らないようにしましょう。
特に、金融機関を名乗る内容や緊急性を強調するメッセージには慎重になるべきです。
QRコードは便利な技術ですが、使い方を誤ると大きな被害を招く可能性があります。
そのリスクを正しく理解し、安全に利用することが求められています。
便利さと安全を両立させながら、デジタル技術を賢く活用していきたいですね。
ありがとうございました。
QRコード開発の背景
QRコードは1994年に誕生しました。
デンソーウェーブ(当時は日本電装の開発部門)が、製造現場での部品管理や追跡を効率化するために開発しました。
QRコードが開発された主な理由は以下の通りです。
- バーコードの限界
従来のバーコードは情報量が少なく(英数字20文字程度)、汚れに弱かったため、生産現場の管理が困難になっていました。 - 作業効率の改善
部品管理のために10個ほどのバーコードを読み取る必要があり、作業効率が悪く、従業員から不満の声が上がっていました。 - 情報量の増加
より多くの情報を盛り込めるコードへの要望がありました。
QRコードの進化と普及
1994年の開発以降、QRコードは以下のように進化し、普及しました。
- 1999年
日本工業規格(JIS)に登録 - 2000年
国際標準化機構(ISO)に登録 - 2002年
携帯電話にQRコード読み取り機能が搭載され始める
現在、QRコードは製造業だけでなく、広告、メディアアクセス、商品情報取得、キャッシュレス決済など、幅広い分野で活用されています。
開発者の声
QRコードの開発者である原昌宏氏は、「世界でも通用するものに」という思いで開発したQRコードが予想を超えて広がったことを喜んでいます。
今後も新しい未来の実現に向けて、QRコードの開発を進めていくとのことです。
QRコードは、小さな四角形の中に無限大の可能性を秘めた、日本発の革新的な技術として、私たちの日常生活に欠かせないものとなっています。