「オリンピックの父の言葉」をテーマにしたスピーチ

皆さん、おはようございます。

皆さんは「近代オリンピックの父」と呼ばれるピエール・ド・クーベルタンの「オリンピックで重要なことは、勝つことではなく参加すること」という言葉をご存知でしょうか。この言葉、実はクーベルタンのオリジナルではなく、イギリスのエチューバード・エルボット主教が礼拝に参加した選手に向けて述べた言葉だそうです。

クーベルタンはこの言葉に深く感銘を受け、後のイギリス政府主催の晩餐会でこの言葉を引用しながらスピーチをしました。その核心は「人生にとって大切なことは成功することではなく努力すること」というものでした。

この考えは、私たちのビジネスの世界にも大いに当てはまります。日々の仕事において、私たちは常に結果を求められます。大きな契約の成立や、画期的な新製品の開発など、目に見える成果を追い求めます。確かに、これらの結果は重要です。しかし、その結果を得るまでの過程で、何を考え、どのような行動をとったか、私は、この過程こそが真の価値を持つと考えています。なぜなら、目標に向かって努力する中で得られる経験や教訓は、たとえその時点では望む結果が得られなくても、必ず次の機会に活きてくるからです。

例えば、新規顧客との商談がうまくいかなかったとして、表面的には失敗に見えるかもしれません。しかし、その過程で得た市場の新しい知見や、自社製品の改善点への気づきは、次の商談で必ず力を発揮するはずです。

また、新製品の開発に時間がかかっているチームは、期待通りの進捗が得られていないかもしれません。しかし、その過程で培われるチームワークや、試行錯誤を通じて得られる技術的なブレークスルーは、将来の大きな成功の礎となると思います。

私自身、キャリアの中で幾度となく困難に直面してきました。しかし、振り返ってみると、そうした経験の一つ一つが、今の自分を形作っているのだと強く感じます。失敗から学んだことが、後の成功を導いてくれたのです。

ですから皆さん、日々の仕事に取り組む中で、「結果」だけにとらわれないでください。その過程で何を学び、どう成長したかを常に意識し、そしてその経験を次の挑戦に活かしてください。

今日も一日、全力で挑戦し、学び、成長していきましょう。ご清聴ありがとうございました。